イギリス料理はおふくろの味

イギリス料理はおふくろの味

ここで、香辛料や砂糖が一般まで広まったことにより、
欧州地域の食生活がどのように変化したのか見ていきましょう。
フランス料理が花開くのは、ルイ14世が治めていた絶対王政の時代になります。
中世の料理体系では入り混じっていた甘みと辛みを別々のコースへ分け、食後にデザートを食べるという形式が誕生しました。
17世紀中盤までは、
香辛料をふんだんに使った濃い味つけが好まれていました。
しかし、香辛料貿易の衰退によって、
食材そのものの味を尊重したヌーベル・キュイジーヌというスタイルがトレンドとなります。
肉汁を煮詰めて作るソースも、この調理法の賜物です。
香辛料を控えることで、より繊細な風味を探求することが可能となりました。
小麦粉やバターでとろみをつける手法は、現在にも生きています。
洗練された調理法は、食事中のマナーを確立させます。
礼儀作法を守ることで、
貴族たちは自らと農民たちを区別しようとしたのです。
巷では、イギリス料理は不味いという評価を下されがちです。
確かにイギリス料理は、繊細さを求めたフランス料理に比べると単純な調理方法の料理が多くなっています。

ただ、注目してほしいのはイギリス料理の定番といわれるもののほとんどは、家庭料理であるという点です。
一方、フランス料理の大部分は、
貴族たちが食べていた高級料理になります。
フランス革命後にシェフたちが貴族から離れていった結果、民衆にまで高級料理の味が広まったのです。
イギリス料理が雑に見えてしまうのは、
低品質な材料でも美味しく食べられるために、過度に火や調味料を加えることが多いからと考えられます。